絶望書店日記

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絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!

※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。



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2007/1/19  トラックバック消された

 前回の不二家は戦前のモラルを復活させたは、内田樹氏の「不二家」化する日本 というエントリーに昨日トラックバックを送ったんですが、半日で削除されてしまいました。
 物事を調べもせずに適当なことを書いてる学者さんに有益な情報を伝達したのに、そういうことをしてはいけなかったのか。
 戦前の不二家記事も、現在の不二家社員やそれに対する人々の反応も、ふたつともがあの論がいかに間違っているかを示し、さらにはあの論がいかに正しいかを裏打ちする強力な補強材料にもなるという、要するに最近よくある、どっちにでも読み取れる、いかに内容のない文章かを浮き彫りにするぴったりのトラックバックであることよとひとり悦に入っていたんですが。
 つーか、あのサイトのMovable Type迷惑トラックバックページからこっちに飛んで来てる人がいるがな。つまり、名前だけ見ていかがわしいと考えて迷惑トラックバックに移して、それから確認してやっぱりいかがわしいと考えて消されてしまったのか。

 こっちはトラックバックもコメントも受け付けてないので他人様のことをとやかく云えるような條理があるわけでもなく、手塚の擬音の時にパフパフ記事にトラックバックを送ろうとして失敗し、今回絶望書店日記はじまって以来最初のトラックバックに成功したと無邪氣に悦んでいたところだったから、ちょっぴり哀しかっただけなの。たんにそれだけ。
 もう、トラックバックなんか送りません。やっぱりへたれひきこもりで一生を過ごします。
 それがあたしのさだめらしい。


2007/1/13  不二家は戦前のモラルを復活させた

 

昭和15年(1940)10月22日夕刊 東京朝日新聞引用

新宿の不二家営業停止
去る七日警視庁衛生監視隊の臨検で調理場の乱雑、不潔を発見された四谷区新宿三の四六株式会社不二家洋菓子舗新宿支店(社長藤井林右衛門氏)は廿一日飲食物営業取締規則により同日より一週間の営業停止処分に付された、同店は去る昭和九年には銅鍋の緑青から中毒事件を起し(一名死亡)同十三年十月には調理場の不潔で四谷署から科料処分に付され、本年三月、五月にも当局から注意を受けているにも拘らず反省の色がないので今回の処分となったもの

 あいかわらずも戦前の新聞ばかり読んでいる日々。
 不二家は戦後教育によって失われたかに見えた戦前のモラルをきちんと受け継いでいる。
 しかし、何度注意を受けても信念を貫いたのは、やっぱり創業者は気骨がありますね。すでに戦時体制下で官憲の締め付けは厳しかったはずですが、頑として権力に立ち向かっている。
 戦前は公共性など考えずに自分さえ儲かればいいという人ばかりだったとは云え、なんでそこまで頑張ったんでしょうか。
 うちの昭和30年代の不二家の包装紙や紙袋の値打ちが上がったりする事態になったりするんでありましょうか。
 
 いや、今回のはそれほど大したことない失態で、間抜けなトップだけをすげ替えたら済むことだからそこまで行くことはないだろうと想ってたのですが、このスレに出てくる社員と称する輩の書き込みを読んでると、こりゃ末端まで腐り切ってるなと考えなおしました。(※2ちゃんスレが1000に行く前に落ちたみたいなので、下にまとめを置いてみました)
 まったくなにも判っていない人々の集まりなんでしょうか。なかなか凄いなこれは。こんな社員抱えていままでやってこれたのが信じられん。それだけ創業者の創り上げたブランド力が偉大だったということか。
 上記の昔の記事を出すことをちょっと躊躇していたんですが、この人の発言を読んで出す気になりました。
 これが他社の工作員なら高度すぎる。

 
 

【経済】不二家、営業停止の全国フランチャイズ店に休業補償
2ちゃんねるニュース速報+スレッドのまとめ

74 名前:あ メェル:sage 投稿日:2007/01/13(土) 03:59:04 ID:UtezCfqm0
不二家社員だけど、可能な限り質問に答えるよ
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2007/1/4  携帯対応たい

 Mobile Eyeを導入して、絶望書店日記を携帯でも見れるようにしてみました。
 パソコンと同じURLにアクセスすれば自動的に振り分けられて閲覧できるはずですが、なにせあたしは携帯というものを持ったことがございませんので確認できませぬ。不具合がございましたら連絡いただけますと幸い。
 画像は表示されずにリンク先で見るようになっていて、また文中のリンクはすべて無効になっているはずです。
 Mobile Eyeの元々の仕様がそのようになっております。
 絶望書店日記は自己言及リンクが多いのでこれでは不便なような気もいたしますが、あたしはあんまり判ってない上に確認もできませんので、うかつに書き換えたりできませんです。やむをえん。
 
 ついでに、1/1〜1/5までの五日間、絶望書店では1万円以上ご注文いただくと3割引きとなるセールをやっておりますので、こちらもよろしく。


2006/12/10  丹波哲郎の史上最狂カルトドラマ『ジキルとハイド』が再放送!!

 絶望書店日記は、手塚治虫とブラック・ジャックの秘密を悉くあばきたててしまった「ブラック・ジャックの素」「ブラック・ジャックの素2」を世に問うためにのみ存在したと云っても過言ではなく、この一押しの記事は結構読まれているのですが、残念ながらまったく話題にもならず情報も広まってはおりません。
 これはひとえに肝心の丹波哲郎主演ドラマ『ジキルとハイド』を見てる人が極端に少なく、画像さえない当方の記述ではあんまり皆さんピンと来ていないということがあるのでしょう。
 
 あまりの凄まじさに地上波では30年間二度と再放送されず、CSでさえ滅多に拝むことのならぬ幻のドラマが、丹波さんがめでたく大霊界へと旅立たれたおかげで、丹波哲郎追悼特別企画としてファミリー劇場で5年ぶりに再放送されることになりました。
 12月27日(水)の深夜0時から2日間で全13話一挙放映というなかなかの暴挙です。ファミリー劇場やりよるなあ。あのドラマは週に一本でもかなり体力気力を消耗するのですが、年末にこれでは躯がもつかどうか。脳味噌爆裂するかも知れん。
 とにかく見れ!!!!女房を売り飛ばしてでも観るべし!!!!
 すんごいよ。とくにブラック・ジャックのアニメやドラマを制作するスタッフは刮目して観るように!!!出崎統さんなんかにもちゃんと観てほしい。
 
 ブラック・ジャック云々は関係なしに、これは史上最高のTVドラマ・・・っと云えば異論は出るかもしれんが、史上最高のカルトドラマ、それもさらに極北と云っても絶対に異論は出ない。いや、たぶん。
 事前にこれだけ煽っておいても、実際に観れば、諸氏の想像を遥かに超えた異様なものをそこに視ることになります。半端ではありません。衝撃的です。呆れます。
 丹波哲郎の凄さをすでに十二分に識ってると想ってる方も、これを観ると丹波の真の凄さに打ちのめされます。
 
 手塚治虫やブラック・ジャックに対する世間に流布する言説がいかに見当外れなものであるか、ヲタク評論のたぐいがいかに情報収集力が低く洞察力を欠いているかも判ります。
 とにかく、丹波さんがこの世への置き土産に数日遅れのクリスマスプレゼントをしてくれた今回を逃すと、次は丹波さんが天界から帰ってくるまで観ること能わざるなんてことになるやも知れません。ゆめゆめ見逃すことなきように。
 これを観ないまま死んでは、わざわざ地上界に生まれてきた甲斐がありませんよ。


2006/11/30  川上未映子が来た!

 未映子がまたもや名前を変転させて川上未映子となって、「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」なる本を出した。
 こらまたなんちゅうタイトルで処女出版やねん。中身はほんとに詰まって、想いのほかずっしり重いな。いや、物理的ではなく内容ね。息抜く閑のなき言葉と思索のざわざわした鬩ぎ合い。
 未映子が来る!とぶちあげてから2年と半年、ここがひとつの到達点ではある。絶望書店主人の眸がいかに確かであったか、諸氏はいまこそ想い識ることになるであろう。
 なんせ、野中ユリの表紙絵を背負っての登場だからな。野中ユリ装画というのは、藝術を統べる帝位直系の継承者である証、三種の神器のひとつで、あとのふたつは永劫に失われてしまっているわけだからな。
 それも宇宙がびっしり三段に詰まった化粧道具箱の絵かいな。これほどの御璽を握ってデビューした物書きは有史ほかにおるまい。
 
 改めて見廻すと、いつの間にかビクターのあの公式サイトがなくなった。とうとう最後まで検索拒否し続けて未映子の邪魔をし続けていたのか。
 
 てなことを書こうかと想ってた矢先、未映子のブログでまだ告知がアップされる前、南阿佐ヶ谷の書原で、未映子の顔がでっかく表紙に載った早稲田文学が山積みされてるのに偶偶遭遇してびびった。すっごいな。まるで未映子大特輯号ではないの。
 つーか早稲田文学っていつの間にこんなことになってたのかね。タブロイド判にでっかくなって、フリーペーパーだと。
 なんせただでもらえるから、諸氏らもVol.07をありがたくもらってきて、未映子の「感じる専門家採用試験」を一読してみなはれ。驚愕して口も利けんくなるから。
 いとうせいこうも眼を付けたみたいだけど、まだあんまり捕らえ切れてはおらんようで。
 
 下の一覧に示したように絶望書店日記ではやたらと未映子のことを持ち上げてきてて、嗤ってる輩も結構いたのだが、これからは絶望書店主人のあまりの正しさに心を入れ替え、絶望書店主人の足許に屈することとなろう。いや、あたしに屈する必要はないので、その貌を上げて、未映子に跪きたまえ。
 壓倒的なる藝術に跪くこの歓びよ!何世紀かに一度しか味わうことできぬ藝術の奇蹟に遭遇できたこの幸運よ!
 まあ、いまはまだ嗤ってる輩もしぶとくおろう。しかし、しばらくすれば己の不明を想い識ることとなる。ものごっついことになって、野中ユリのほうが未映子の装画をやったということで評価が上がることになるであろうから。
 この絶望書店主人の眸はフシアナではない。
 
 
※追記
 乱視読者ロリータの若島正があまりにも素晴らしい書評を書いていたので引用しておきます。
 


12/17 毎日新聞 今年の3冊
「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」川上未映子著
若島正(京大教授・米文学)
 
 恥ずかしながら、わたしは「文筆歌手」という妙な肩書きを背負った川上未映子という著者がどんな人なのか、まったく知らない。まあしかし、それはどうでもいいではないか。頭でっかちなタイトルを持ったこのエッセイ集は、今年読んだ本のなかで飛び抜けて面白かったのだから。ここに入っている、「私はゴッホにいうたりたい」という名文をもじって言えば、わたしは川上未映子にいうたりたい。めっちゃいうたりたい。 あんた、ええ本書いたなあ。

 うーん、これはいいねえ。
 絶望書店主人がいまさらこういう文章を出しても白々しい感じが出てしまうけど、これから未映子に遭遇する諸氏はこういう素直な感想を述べることができるのでまことに羨ましい。
 しかし、よく見ると「ゆうたりたい」が「いうたりたい」になっとるな。点睛を欠いておる。あかんやっちゃな若島正。
 未映子道は奧深く果てしないので、襞襞を掻き分け掻き分け精進するように。
 
 

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思考の塊を投げつけろ!



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