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『戦前の少年犯罪』
戦前は小学生の人殺しや、少年の親殺し、動機の不可解な異常犯罪が続発していた。
なぜ、あの時代に教育勅語と修身が必要だったのか?戦前の道徳崩壊の凄まじさが膨大な実証データによって明らかにされる。
学者もジャーナリストも政治家も、真実を知らずに妄想の教育論、でたらめな日本論を語っていた!

『戦前の少年犯罪』 目次
1.戦前は小学生が人を殺す時代
2.戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3.戦前は親殺しの時代
4.戦前は老人殺しの時代
5.戦前は主殺しの時代
6.戦前はいじめの時代
7.戦前は桃色交遊の時代
8.戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
9.戦前は体罰禁止の時代
10.戦前は教師を殴る時代
11.戦前はニートの時代
12.戦前は女学生最強の時代
13.戦前はキレやすい少年の時代
14.戦前は心中ブームの時代
15.戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16.戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代



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2003/1/31  『ダルタニャン色ざんげ』を発見せよ

 デュマが『ダルタニャン物語』の種本にしたガチアン・クウルティルス・ド・サンドラスの『ダルタニャン色ざんげ』(原題・ダルタニャン回想録)が売れたのでぺらぺら捲っていたら、おもしろくておもしろくてやーめられないやめられない。結構長い話を最後まで読み通してしまったよ。
 こりゃデュマのよりも遥かに出来がいいぞ!もっとも、あたしは『モンテ・クリスト伯』は大好きなんだが『ダルタニャン物語』はもひとつ乗り切れなかったクチなので、ファンの方はその点、割り引いて聞いてもらったほうがよいかも知れん。
 あたしが『ダルタニャン物語』をもひとつと想うのは登場人物にどうにも感情移入ができなかったことが大きいんだが、サンドラスのほうはダルタニャンもミレディーも無茶苦茶魅力的で現代的!痛快無比でたまらん!
 構成もうまい!手に汗握り、あっと驚く展開の連続!デュマのほうは新聞連載ということもあっていささかクドく、通して読むとどうよ?とあたしは想うんだが。1700年の『色ざんげ』より1844年のデュマのほうが古臭く感じるし。
 小西茂也の翻訳がまたいい!なんか古めかしい文章で昭和25年の本だからこんなもので読みにくそうだなと最初は想ったのだが、これはわざと擬古典調にやっているのだな。難しい云い廻しを自在に駆使しながらもテンポがよく、飄々ととぼけた味があって、ダルタニャンのキャラと見事に融合している。ひさびさにいい文章を玩味した。
 これだけの代物がデュマが発見するまで150年も埋もれていて、日本でも50年も埋もれているというのはまったく不可解なことではある。
 日本では明らかにエロ本として出しているが、これが埋もれた最大の理由ではないかとあたしは推測する。『チャタレイ夫人の恋人』が猥褻として翻訳者が起訴されたのが同じ昭和25年。『ダルタニャン色ざんげ』が出た2月はまだぎりぎり戦後の出版の自由を謳歌できる時代だったのだろう。エロ本としても『チャタレイ夫人』なんかと違って『色ざんげ』はいま読んでもびんびん来る。
 『ダルタニャン物語』の全訳が出る2年前にこんな本を出しているだけでも、当時の出版というのは大したもんだ。

 昨今の『ダルタニャン物語』ブームで種本のほうも注目は集めているのだが、ウェブ上には実際に読んだ感想がひとつもないのは不思議ではある。そこまでまったく手に入らない本でもないのだが。
 ウェブ上をうろうろしていて感想文の代わりに、この書が出る1年前まで小西茂也家に宿無しの永井荷風が居候をしていて、夜中に小西夫妻の寝室を覗いたために追い出されたという話を見つけた。その直後に訳された『色ざんげ』の内容を考えるとなかなかいい話だ。荷風は口癖のように「女風呂を覗くぐらいでなくちゃあ、いい小説は書けないよ」と云ってたとか。
 サンドラスなんかは生存中の人物を小説の中で攻撃したり風刺したりしたために何度も監獄にぶち込まれてる。この書も関係者がまだ生きているであろう時代を考えるとなかなか際どい内容で、オランダの出版社から出されている。
 登場人物と同じく肝が据わっていると云うか覚悟がいいと云うか、そうまでして書かねばならない抑え切れぬ衝動があるんでしょう。表現の自由がどうとか匿名性を守れとか云ってる輩、とくに小説家は見習ったらどんなもんでありましょうか。
 デュマのも家族みんなで愉しめる新聞連載で、『色ざんげ』のほうをあたしが評価するのもその点があるのかも知れぬ。新しさを感じる由縁ではあるのだろう。
 
 
「ダルタニャン色ざんげ」再入荷しました。



ツタンカーメン王のマメ 2