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絶望書店主人推薦本
●女の子向け

 
『炎の女 伊藤野枝伝』

岩崎呉夫 昭38年初版 七曜社 カバー痛み 2000円
伊藤野枝の28年間の無茶苦茶な人生も凄いけど、それ以上にこれは本として実に良くできている。とくにラストは胸締め附けられる!!女子読むべし!!


●男の子向け

 
『ニューヨーク武芸帳』

坂本正治 昭51年初版 中央公論社 並上、少カバー痛み、帯 2000円
坂本正治の痛快本!!前途渺茫たる学生さんには殊に強く推奨いたします。男子読むべし!!売切れました。


●言葉に戯れたい人向け

 
「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」
三島由紀夫『小説家の休暇』『裸体と衣裳』をも越える多彩なる思索日記。うねうねとたゆたう独特の文体もたまりませんです。



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2002/12/6  考えて読め

 小谷野敦氏との素敵な往復メールについてはあちこちでいろいろ取り上げられてもらっておりますが、あたしが一番のポイントだと考える佐伯順子の『遊女の文化史』が絶版に追い込まれたことに関しての言及がひとつもありませんな。
 『江戸幻想批判』によって『遊女の文化史』が絶版にされるというのはもろもろよろしくない。現在の出版界はなんのチェック機能も働いていないということです。
 あたしは『遊女の文化史』をそれほど高く評価しているわけではないのですが、値段分だけの価値はあると想っています。値段分だけの価値があるというのは、近頃の本としてはかなり珍しいほうに属します。
 そもそも、この本はどう読んでも文学論で、歴史的に間違いかどうかをうんぬんすることに最初からまったく意味がない。文学論というより、小谷野氏云うところの「詩」と捉えたほうが的確か。
 まあ、実際にこの本を史実として受けとめている者もいるみたいで、たしかにそれは問題なんですが。絶版にすれば片がつくことではない。ましてや、「遊女の平均寿命23歳」なんて根拠で絶版にされるのではなんにもならない。
 絶版に追い込まれたことに反応する諸氏がいないことと合わせて、学者や編集者だけではなく読者の鈍さも極まったことを示しております。権力関係がどうしたとかいう以前の話です。
 自分の頭で考える者がひとりもいないということか。もろもろよろしくない。
 本というのはちったあ考えながら読まんとな。子ツバメみたいに口を開けて入ってきたものを呑み込めばいいというもんではない。
 こんな調子では何冊絶版にしても追いつかんよ。書き手が少々頼りなくとも、読み手さえちゃんとしっかりしてればいいのです。



小谷野敦氏よりのメール