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絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!

※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。



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2005/3/3  おいっ!マタンゴのあいつは堤義明だってよ

 日本映画専門チャンネルで、樋口真嗣が東宝特撮映画を語る特番をやってて、『マタンゴ』の暗黒面どろどろの登場人物たちは当時、六本木で派手に遊んでたグループが気に入らなくてそのまんまモデルとして使ってやったと本多猪四郎監督から直接聴いたとかいう話をしてた。
 ワイルド派でちょっと病的な作家が大薮春彦、いかにも良識派のようで結局ひとりだけ逃げ出してしまうヨットマンが堀江謙一、そして、金の力がなくなるとなんにもできなくなる一番情けない土屋嘉男の青年実業家が西武の堤義明なんだと。
 健全路線の本多猪四郎にあんな暗黒傑作映画を撮らせるまでの巨大なる負エネルギーを注ぎ込んだのが堤義明だったとは、国土を荒廃させた堤一族唯一最大の功績だな。金の力をバックとした堤義明の鼻持ちならなさには、『ゴジラ』を産み出すだけのエネルギーを監督に与えた戦火による国土の荒廃とビキニの水爆に匹敵する威力があったわけだ。

 こんな時局ネタとヲタク話が交差する面白げな話がウェブ上でまったく出てきてないのはどういうことよ。
 これほどおいしい話が沙魚川無腸女史のページにさえないやんか。
 まったく、ウェブの面々は同じようなくだらない話をぐるぐる廻しているだけで、こういう肝腎なことは取り揃えておらんな。それでいて、もうなんだかウェブは成熟し切ったかのような達観したようなことを云ったりもするからタチが悪い。
 あの毒キノコはとか、天本英世がやってたあの怪物はとかいくらでも膨らませようはあるだろうに。撮影に使ったキノコは餅に食紅塗ったものでずいぶんとうまかったらしいけど、とくに土屋嘉男は特別の注文を出して砂糖をまぶしてたらしいし。
 ほんとに唯一、3年前の2ちゃんねるの書き込みにひとつあるだけ。ここでは作家が石原慎太郎ということになってるけど、どちらも捨てがたいな。

 『マタンゴ』は1963年の封切りで、制作していた前年はちょうど堤義明が苗場スキー場と苗場プリンスホテルで一発当てた28歳の頃か。
 まだ六本木野獣会とかあった時代だけど、どんな面子とつるんでいたのか、水野久美のモデルが誰なのか、誰かきっちり裏を取ってウェブに上げといてよ。よろしく頼みます。
 キャライメージ的には義明よりも清二のほうがはまるところもあるので、本多監督か樋口真嗣が兄弟を取り違えてるような一抹の不安は残る。