絶望書店日記

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絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!

※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。



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2003/1/25  合い言葉は<時代化>

 <時代化>というのはあたしは初めて聞いたのだが、なかなか霊妙なる言葉ではある。
 あらゆる事象と無理なく結びついてあらゆる事象を完璧に云い表し、それでいて何ひとつ解き明かさない。言葉を決して捕まえられず、反対に言葉によって追いつかれず、言葉の距離とスピードを顕しながら<時代化>というくらいだから時代とともに変転し時間軸をも寸分違わず的確に指し示す。
 今年の絶望書店は<時代化>でゆくことにする。これでまた諸君とは1歩も2歩も差が開いたわけだ。絶望書店がなんぴとの追随たりとも赦さない由縁である。

 あらゆる事象と無理なく結びつくとは云っても『子供服の時代化』というのはあまりに見事だ。しかも、硬い論文ではなくあんなにお洒落で可愛いらしい絵が満載の本なのだからつくづく見事だ。
 最初眸にしたとき一瞬判らなかった。判ったと想ったらまた判らなくなった。螺旋状にいくらでも逃げてゆき、また手を延ばせば届くかの如くに振り返り振り返り妖しく我れを誘う。
 ことさらコウモリ傘&ミシンなんぞとしゃらくさいことを云わずとも、言葉というのはもともとこういうもんでなけりゃいかん。
 眞に胡乱なる言葉を捜し求める旅で見つけて来て早速見せびらかせてやろうと想っていたのに、帰還してみると3年間ともに闘ってきたスキャナーがぴくりとも反応せぬ。いまどきのスキャナーは数千円とは云っても貧乏性のあたしにはどうしても手が出せぬため愛機をバシバシ叩いたり、ドライバを入れ替えてバシバシ叩いたり、分解してバシバシ叩いたり、いろいろなことをやっておったら4日目にしてかろうじて眼を覚ますようになって、ようやくアップすることができた。
 電気仕掛けのからくりは叩くに限る。これぞ時代化。しょせんは電気信号が流れるか流れないかに過ぎぬ。言葉とは違う、ただ通じればいい御粗末なる仕掛けに過ぎぬ。

 苦労してアップしてみれば数十分ですべて売り切れてしまった。あれだけの値付けの本を躊躇無く求める方々が幾人もいるのはいささか参ったが、これも時代化か。
 70年代のファッションが流行っているのは諸氏も以前から識っているだろうが、戦前の服を自ら創って身に着けている方々というのがいるのだよ。当店の画像を見れば判るが、なんとお洒落な淑女たちであることか!これぞ時代化!
 つまらないデザインが蔓延っている現代ではファッションは比較的マシなほうだとは想うのだが、それでも戦前のファッションが街中にあふれてくれるのであれば世の中なんと素敵になることか!切にしかあらんことを希うばかりである。
 諸君!<時代化>だよ。