絶望書店日記

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絶望書店主人推薦本
●女の子向け

 
『炎の女 伊藤野枝伝』

岩崎呉夫 昭38年初版 七曜社 カバー痛み 2000円
伊藤野枝の28年間の無茶苦茶な人生も凄いけど、それ以上にこれは本として実に良くできている。とくにラストは胸締め附けられる!!女子読むべし!!


●男の子向け

 
『ニューヨーク武芸帳』

坂本正治 昭51年初版 中央公論社 並上、少カバー痛み、帯 2000円
坂本正治の痛快本!!前途渺茫たる学生さんには殊に強く推奨いたします。男子読むべし!!売切れました。


●言葉に戯れたい人向け

 
「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」
三島由紀夫『小説家の休暇』『裸体と衣裳』をも越える多彩なる思索日記。うねうねとたゆたう独特の文体もたまりませんです。



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2003/1/25  合い言葉は<時代化>

 <時代化>というのはあたしは初めて聞いたのだが、なかなか霊妙なる言葉ではある。
 あらゆる事象と無理なく結びついてあらゆる事象を完璧に云い表し、それでいて何ひとつ解き明かさない。言葉を決して捕まえられず、反対に言葉によって追いつかれず、言葉の距離とスピードを顕しながら<時代化>というくらいだから時代とともに変転し時間軸をも寸分違わず的確に指し示す。
 今年の絶望書店は<時代化>でゆくことにする。これでまた諸君とは1歩も2歩も差が開いたわけだ。絶望書店がなんぴとの追随たりとも赦さない由縁である。

 あらゆる事象と無理なく結びつくとは云っても『子供服の時代化』というのはあまりに見事だ。しかも、硬い論文ではなくあんなにお洒落で可愛いらしい絵が満載の本なのだからつくづく見事だ。
 最初眸にしたとき一瞬判らなかった。判ったと想ったらまた判らなくなった。螺旋状にいくらでも逃げてゆき、また手を延ばせば届くかの如くに振り返り振り返り妖しく我れを誘う。
 ことさらコウモリ傘&ミシンなんぞとしゃらくさいことを云わずとも、言葉というのはもともとこういうもんでなけりゃいかん。
 眞に胡乱なる言葉を捜し求める旅で見つけて来て早速見せびらかせてやろうと想っていたのに、帰還してみると3年間ともに闘ってきたスキャナーがぴくりとも反応せぬ。いまどきのスキャナーは数千円とは云っても貧乏性のあたしにはどうしても手が出せぬため愛機をバシバシ叩いたり、ドライバを入れ替えてバシバシ叩いたり、分解してバシバシ叩いたり、いろいろなことをやっておったら4日目にしてかろうじて眼を覚ますようになって、ようやくアップすることができた。
 電気仕掛けのからくりは叩くに限る。これぞ時代化。しょせんは電気信号が流れるか流れないかに過ぎぬ。言葉とは違う、ただ通じればいい御粗末なる仕掛けに過ぎぬ。

 苦労してアップしてみれば数十分ですべて売り切れてしまった。あれだけの値付けの本を躊躇無く求める方々が幾人もいるのはいささか参ったが、これも時代化か。
 70年代のファッションが流行っているのは諸氏も以前から識っているだろうが、戦前の服を自ら創って身に着けている方々というのがいるのだよ。当店の画像を見れば判るが、なんとお洒落な淑女たちであることか!これぞ時代化!
 つまらないデザインが蔓延っている現代ではファッションは比較的マシなほうだとは想うのだが、それでも戦前のファッションが街中にあふれてくれるのであれば世の中なんと素敵になることか!切にしかあらんことを希うばかりである。
 諸君!<時代化>だよ。



三島由紀夫の到達点