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絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!

※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。



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2002/9/15  森和代を帰せぇ~

 阿佐ヶ谷ラピュタで『赤頭巾ちゃん気をつけて』をやってたので観てきました。
 内容はともかくとして、これほど配役が完璧な映画をあたくしはほかに識りません。とくに由美役の森和代は秀逸!怖い貌してこっちを睨み附けてる女の子です。
 冒頭のエンペドクレスのサンダルのくだりなどはこのコンビでないととても成立しないでしょう。いや、さすがにこの場面はこのふたりでも苦しいか。
 ちょうどいまファミリー劇場でテレビドラマ『兄貴の恋人』を放映してまして、鈍感な兄の夏木陽介に近親相姦的思慕を寄せる妹役を、またもや怖い貌して睨み附けながらやっております。
 これほどへたくそな演技がぴったりはまって魅力にまで転じることのできる女優が果たしてほかにいるでありましょうか。いや、おるまい。なんせ、ぶすっとした表情で相手を睨み附けながらぶっきらぼうに喋るのに、不良でも委員長でもなく、山口百恵のような薄倖キャラでもなく、天眞爛漫な可愛い子ちゃんというなかなか得難い位地を占める特異なるキャラなのであります。

 森和代というのはもともと『装苑』のモデルだった方で、二十歳で3作品(つまり上記のほかにはひとつだけ)に出演し、二十一歳で森本レオの嫁さんになって引退してしまった幻の女優なのです。
 ぬおおおお!おのれえー森本レオめー!森和代を返せぇー戻せぇー!もっと睨ませろー!いやいや、あたしだけを睨み附けてぇー!あー!
 まあ、もっとも、帰せと云われるうちが花か。ぴっちりかっきり1970年だけというのも見事だし。岡田裕介も好きだったのに、若いうちに完全に消えてくれさえいたら・・・・
 森本レオはまだ名古屋でDJをやっていて、ラジオの放送で猛烈なアタックを掛けて強引に結婚まで持っていったそうです。森和代を嫁さんにしたあとに上京して俳優になったそうで、森本レオ・・・・・、なんだかあんたはやっぱり偉い。

 ところで、いまのお若い方は『赤頭巾ちゃん気をつけて』なんて読んでるんですかね。あたくしは軟弱者なので、サリンジャーよりも庄司薫のほうが好きだったりします。
 ああああー、「軟弱者」ってぶっきらぼうに云われて睨まれたい~~

 

※追記
原作の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を読んでピンとこなかった方でも、そこでやめてしまうのは惜しいです。薫くんシリーズ四部作の完結編『ぼくの大好きな青髭』は、その前の三作とは数段違った傑作です。若いうちに読むことをお奨めします。