絶望書店日記

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絶望書店主人推薦本
●女の子向け

 
『炎の女 伊藤野枝伝』

岩崎呉夫 昭38年初版 七曜社 カバー痛み 2000円
伊藤野枝の28年間の無茶苦茶な人生も凄いけど、それ以上にこれは本として実に良くできている。とくにラストは胸締め附けられる!!女子読むべし!!


●男の子向け

 
『ニューヨーク武芸帳』

坂本正治 昭51年初版 中央公論社 並上、少カバー痛み、帯 2000円
坂本正治の痛快本!!前途渺茫たる学生さんには殊に強く推奨いたします。男子読むべし!!売切れました。


●言葉に戯れたい人向け

 
「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」
三島由紀夫『小説家の休暇』『裸体と衣裳』をも越える多彩なる思索日記。うねうねとたゆたう独特の文体もたまりませんです。



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2002/11/9  しっぽを廻せ!

 ジュニア・チャンピオン・コースの『NHK番組 レンズはさぐる』が売れたので発送前にちょっと読んでおりましたら、なかなかおもしろい話が載っておりました。
 ネズミは港に碇泊している船に渡された綱をつたって行ったり来たりするわけですが、脚を滑らして落っこちることが結構あるんだそうです。しかし、落ちたときはシッポをヘリコプターのプロペラのようにぐるぐる廻して躯のバランスを取り(多少の横移動もして?)、下に渡された綱にうまい具合に着地するんだそうです。
 そんなケンケンのシッポみたいなことがあるのかいなと想いましたが、番組で実験してみたところほんとのことだったと判明したそうです。残念ながらこの本には実験の画像などは載っておりませんでした。ちなみに番組スタッフは何かの本を読んでこのことを識ったのだそうです。

 すこぶる興味を惹かれましたのでウェブ上で探してみましたが見つけられませんでした。
 あたくしは自身の情報の検索能力には矢鱈と過大なる自信を抱いておりまして、あるものなら必ず見つけられると想っているのですが、これは難しいな。どういうやり方をすれば、その情報がないと断言できるくらいの検索がこの件に関してできるのか。「ネズミ シッポ 回す」くらいではこぼれ落ちるものが多すぎる。「ネズミ 一行知識」や「ネズミ シッポ 豆知識」が最良だとも考えたが片面だけ攻めてるような気もする。
 なんせNHK夕方の当時のヤングのゴールデンタイムの少年ドラマなんかと並ぶ番組『レンズはさぐる』とジュニア・チャンピオン・コースのこんなおもしろい情報を誰も採り上げてないのは腑に落ちんから落ち着かん。
 うまい方法、あるいはこの件そのものについて情報のお持ちの方はご教示ください。ネズミについて学術的に網羅的に記述したページがひとつもないらしいことは判りましたが。
 いまBSで『ガンバの冒険』を再放送しておりまして、ネズミのシッポにこだわったこの作品にもこんな場面はなかったような気がするけど、こんなおもしろいことが世間には識られてないということでしょうか。ネコのにゃんぱらり受け身よりは遥かに重大なる事実で、共有すべき知識であるはずと想うのですが。われわれ人類は持っているシッポをもっとぐるぐる廻さんといかんのではないのでしょうか。

 『レンズはさぐる』はこの手のちょっと変わった実験をいろいろする科学番組で一見するとずいぶんおもしろそうで、見てみるとあんまりおもしろくなかったような記憶があります。もっとも、こんな地味な番組に興味を掻き立てられる方こそが科学者としての資質があって、役に立たない奇想的なことばかり喜ぶあたしみたいなのは世間の役に立たない人間になるということでしょうが。
 地味な実験の写真ばかりがいっぱい載っていて一番おもしろい話の画像がないこの本は、『レンズはさぐる』の特性を顕しているようです。もっとも、ジュニア・チャンピオン・コースはあんがいこういうのが多いのですが。
 前番組の『四つの目』ともどもタイトルが示すように、スローモーションだとか拡大だとか透視だとかの映像を使ったテレビならではの科学プログラムというのが売りの番組でありましたが、すでにテレビがあたりまえになった70年代になんでこんなことをやってるんだろうと当時のあたしは疑問に想っておりました。
 ハイビジョンのようにどうでもいい機材に大金ぶっ込んだために引くに引けなくなっただけやも知れませんが、テレビがちょうどいまの電脳や電網と同じような時期だったわけです。いまもシッポの廻しどきということですが、さてどう廻しますか。