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絶望書店主人推薦本
 
『戦前の少年犯罪』
戦前は小学生の人殺しや、少年の親殺し、動機の不可解な異常犯罪が続発していた。
なぜ、あの時代に教育勅語と修身が必要だったのか?戦前の道徳崩壊の凄まじさが膨大な実証データによって明らかにされる。
学者もジャーナリストも政治家も、真実を知らずに妄想の教育論、でたらめな日本論を語っていた!

『戦前の少年犯罪』 目次
1.戦前は小学生が人を殺す時代
2.戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3.戦前は親殺しの時代
4.戦前は老人殺しの時代
5.戦前は主殺しの時代
6.戦前はいじめの時代
7.戦前は桃色交遊の時代
8.戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
9.戦前は体罰禁止の時代
10.戦前は教師を殴る時代
11.戦前はニートの時代
12.戦前は女学生最強の時代
13.戦前はキレやすい少年の時代
14.戦前は心中ブームの時代
15.戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16.戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代



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2001/8/14  この妄想こそが出版なのだ!

 版元ドットコムに版元日誌なんてのがあることに気付いたのは最近のことですが、ひとつの文章がどうにも気になって、その出版社エディター・ショップのサイトを覗いてみました。
 そこでメルマガ・ふってんとかいうのを最初から全部読んでみて、これはなんかよく判らんがただごとではないなと感じました。いや、近頃こんな面白いページは久々に観た!あたしはいわゆるトンデモや電波系にはまったく趣味がないが、これはそんなものとは違う何かがある!!
 早速、問題の久本福子『文化ファシズム』を読んでみました。うぬぬぬぬぬ。うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ。

 『文化ファシズム』の内容と評価はCafe OPALの日記に的確にまとめられているので読むように。
 何だかよく判らない妄想を人に伝えたくて伝えたくて、ひとりで出版社を立ち上げてしまい、流通に阻まれながらも書店を一軒一軒廻ってなんとか読者を得ようとする。そして、己の想いを伝える武器として電脳と電網の力に目覚めてゆく!
 記号をデザインに使うことに覚醒する場面などは本当に感動した!昨今の電子出版などのぬるい議論に辟易しているあたくしには、これはもうハイパーカードを初めて識ったとき以来の感動だ!したり顔でマヌケな試みを繰り広げている連中とは違って、この人の電脳と電網への洞察は見事に核心を突いている!目先を変えるだけの小手先の技術ではなく、已むに已まれぬ魂の発露であるからだ!!
 そんな部分だけではなくこの本にはとにかく感動した!!あたしが新刊で感動するなど、この十年以上なかったことだ。何故か同じ文章を二度連ねるレイアウトなんかも面白い本であるし。
 この本に書かれている対象についてあたしは智識も興味もないので、どの程度まで間違っているのかは識らんが、なんにせよ本を出すというのはハタ迷惑なもので、云ってしまうと出版とはテロリズムなのだ!人を斬り裂くほどの妄想でないと出版する価値などないのだ!この本はそのもっとも根源的なことを体現しておる!!

 エディター・ショップは版元ドットコムから抜けてしまったようで、これだけの美味しい素材をむざむざ逃してしまうとは、出版社の集まりとしてまったく情けない限りではあります。実際に接すればそうとう厄介な人物であることは想像つきますが、猛獣遣いの能力がないなら編集者など辞めてしまったほうがよろしい。それこそ電脳と電網がある時代にはゴクツブシなだけの不必要な存在です。
 版元日誌には版元ドットコムの売上げが公開されています。ウェブで本を売ることがどれほど難しいかあたくしは識り抜いているつもりですが、それにしてもこれは酷い。エディター・ショップなんかをうまく遣いこなせばアクセスが百倍になって売上げも少なくとも十倍以上には伸ばせるでしょうに。
 読者に訴えかけるサイトも創ることのできない人たちの出版とはいったいなんなのでしょうか。そんな人たちの出す本にどのような意味があるのでしょうか。版元日誌でひとつだけ削除されているのが最初にあたしを惹きつけて実際に本を手に取らせた文章ですが、その他のおよそ読むに値しない凡庸な文章を漫然と綴っている編集者たちの出版とはいったいなんなのでしょうか。『蜘蛛男』の如きメッセージ以外は当然排除すべき場所だということさえ想い至らぬ人々に、読者から金を取って出版する資格なぞあるのでしょうか。
 本を直接売る話で「直販もできない輩には、出版などする資格は最初からない!」とあたしが云っているのは、本とはほかの商品とは違ってメディアであるからです。出版社とはほかのメーカーとは違って、受け手に直接訴えかけるのが商売であるはずだからです。
 いや、いまどきほかのメーカーでも直販しようとしています。中抜きしてコスト削減を図っているだけではなく、明確な商品メッセージを完全にコントロールしたままユーザーに届けたいからです。なんとなれば、家電だろうと服だろうといまや実用品ではなくメディアに近くなってきているからです。
 むしろ出版社だけがメディアの意識を無くしている。意識はあったとしても能力がない。こんな連中の出す本がいままで売れていた方が異常です。そんな異常事態が続いてしまったがために、あたかも本が実用品であるかのような勘違いしたままの間抜けな出版社があったりするのです。そもそも、こんな高邁な話以前に、あんたがたにはどうしてもどうしても人に伝えたい妄想などあるのか!?
 こんな連中に頼っている書き手も同じです。ほんとうにどうしてもどうしてもどうしてもどうしても人に伝えたい妄想があるなら、こんなヌルい連中と付き合っていられるわけがない!!己の手でなんとか読者に届けようと足掻くはずだ!!そう、久本福子の如くに!!!!!!
 いまの日本でほんとうの書き手は久本福子だけで、ほんとうの出版社はエディター・ショップただひとつだけだ!!!!!!!!!!!!どうしても抑え切れぬ眞の妄想を胎内に宿せぬ者は、流れを邪魔をするうえにただでさえ乏しい利益を簒奪する出版界の寄生虫に過ぎんのだ!!!!!!!!!!!!反論できる奴はいるのか????????!!!!!!!!!

 エディター・ショップぐらいの苦労を重ねてみてもうまくいかない場合は、誰かの陰謀ではないかという妄想を抱くのも無理からぬことではある。むしろいまの出版流通が当たり前でこれを維持しようなどと考えるほうが異常者であるだろう。さらにはまともな努力さえ怠りながらブックオフのせいにしたり、果ては読者のせいにしたりする妄想が蔓延しておる!エディター・ショップのほうがよっほど健全だ!!
 Cafe OPALの日記は『だれが「本」を殺すのか』に関する部分を読み誤っている。『だれが「本」を殺すのか』は出版界守旧派の意向を受けて問題を隠蔽するために書かれたという『文化ファシズム』の記述はまさしく正鵠を得ている。もっとも、それに気付かないくらいに脳天気なノンフィクション・ライターであるというのがほんとうのところであろうが。
 『だれが「本」を殺すのか』が駄目本だという文章はあちこちで観たが、これほど的確になぜ駄目かを云い当てたものを初めて読んだ。電脳や電網に関する記述と同じく、『文化ファシズム』の出版流通に関する指摘は悉く澄み切った慧眼のなせる術だ!同じく魂の発露の問題であるからだ!逆に云えば、この人と反対の妄想を抱いている連中に、いかに魂がないかが識れるというものだ!!

 いまだ、出版や本に強靱なる妄想を抱けると自負する諸氏は、エディター・ショップのサイトから直接『文化ファシズム』を買って読め!そして、泣け!
 絶望書店主人は強く推奨す!!

    2002/6/27 おまえら!この妄想を買え!!!!も見よ!!