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絶望書店主人推薦本
 
『戦前の少年犯罪』
戦前は小学生の人殺しや、少年の親殺し、動機の不可解な異常犯罪が続発していた。
なぜ、あの時代に教育勅語と修身が必要だったのか?戦前の道徳崩壊の凄まじさが膨大な実証データによって明らかにされる。
学者もジャーナリストも政治家も、真実を知らずに妄想の教育論、でたらめな日本論を語っていた!

『戦前の少年犯罪』 目次
1.戦前は小学生が人を殺す時代
2.戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
3.戦前は親殺しの時代
4.戦前は老人殺しの時代
5.戦前は主殺しの時代
6.戦前はいじめの時代
7.戦前は桃色交遊の時代
8.戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
9.戦前は体罰禁止の時代
10.戦前は教師を殴る時代
11.戦前はニートの時代
12.戦前は女学生最強の時代
13.戦前はキレやすい少年の時代
14.戦前は心中ブームの時代
15.戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16.戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代



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2000/10/19  いまに見ておれ その3

 さて、戦火の満州国境地帯に青島幸男が飛ばされる第9回から急激におもしろくなる『いまに見ておれ』だが、円谷一は7回で降りて、のちに『意地悪ばあさん』で青島と組む青野暉が助監督から昇格する。円谷の名は横に小さくクレジットされ、『カレカノ』後半のアンノヒデアキ状態になる。金城哲夫も8回で降りてしまう。
 これが『ウルトラQ』の準備のためか、番組不振の責任を取ったのか(ほんとに不振だったかどうかは識りません。昔の視聴率ってどうやって調べたらいいの?少なくとも大ヒットでなかったのは確か。)は判らんが、他のふたりの脚本家はそのままだし、円谷は10、12回に、金城は11回に復帰するので引責ということもないでしょう。たんなる撮影順の問題かも知れませんが。
 ちなみに円谷一は当時のTBSの絶対的なエースで、新聞のテレビ欄にも1、2回は大きく取り上げられており、局も力を入れていたのが判る。

 青島は満州で馬賊の捕虜となり敵対する他の馬賊との戦闘に巻き込まれるが、この敵の大将が降板したはずの金城のようにあたしには見える。もっとも、髭をつけてセリフもないため(ライオンの咆哮に吹き替えられていて、なかなかシャレてる)、はっきりとは判らんのですが。えーと、金城哲夫は出たがりで、ちょい役でちょいちょい顔を出す人なんです。
 内地に引き上げてくる船の中で、青島はサーカスのゴリラに抱きつかれる。円谷プロ初の着ぐるみだ!ゴローそのものかも知れんが、手元に資料が何にもないので比較できず。
 このあとは戦争の話となってゆき、引き取って育てていた震災孤児が特攻で戦死していくあたりなど、凡百の戦争物とは違って非常に観応えがある。
 最終回は現代(昭和39年)、青島は70歳近くで機関区長にまで出世しているが、突然訓練学校に無理やり入って新幹線の運転手になってしまう。親の反対を押し切って鉄道の敵である飛行機のパイロットを目指す息子のセスナと新幹線で競争したりする。音速を出したり、もう、完全にSFになっとる。
 すわっ!これは星川航空のあの機体かと想ったが、ナンバーが違うな。しかし、最後になってセスナが出ずっぱりになるのは偶然ではなかろう。『ウルトラQ』にセスナを出すことになったきっかけが、この鉄道ドラマであることは疑いようがないと絶望書店主人はここに断定しておく。
 ドラマのほうは体制に反抗していた青島幸男自身が体制となり、最後に息子に乗り越えられていくという結末でうまくまとめてる。青島の老人役はじつにうまい。『ウルトラQ』だけではなく、『意地悪ばあさん』のタネも全部あるわけだ。政治家・青島幸男のタネもあるはずなんだが、花開く前に萎れてしまったのね。
 前半はもたつくが、全体としてかなりの名作と云っていい。
 ちなみに新幹線が初めて走るのはこの年の10月で、それを当て込んだドラマです。念のため。

 『ウルトラQ』そのままではないかという場面もいくつかあるのだが、あたしが最後に観たのは10年以上前なのでどうにも自信がない。確認しようと想ったら、近所のビデオ屋に一本もないのよ。どうなっとるの?『ウルトラQ』てそんなあつかいなの?チャンネルNECOさん何とかして。
 誰か『いまに見ておれ』をDVDで出さんかね。いま観ても無茶苦茶おもしろいし、金城哲夫初期作品集としてまとめれば手堅く売れますぞ。少なくともあたしは買うね。歳を喰ったウルトラ世代には、むしろこっちのほうが滲みるかも知れん。
 じつを云うと、ヲタクが涙を流して悦ぶ、あっと驚くおまけが最終回に出てくるのですが、それはまたそのうちに。

 しかし、誰も言及しないということは、ほんとの意味で<見た>のは世界中でこの絶望書店主人ひとりだけということですか。こんな見処満載のドラマと、のけぞるほどおいしいあんなおまけを味わうことができたのは。